株式会社浅賀井製作所さま 製造業


研修で最初にお伝えした「AIは使う人次第」という言葉。
その意味が実感を伴って腑に落ちるまでに、1年という時間がありました。

毎朝のニュース配信から、議事録の全社標準化、そして生産技術のノウハウ承継へ。
浅賀井製作所のAI活用は、この1年で”使える領域”を大きく広げています。


背景|研修から約1年、AI活用は”人数”より”領域”で広がった

2025年7月から9月にかけて、全4回のAI研修を対面でご受講いただきました。

それから1年が経たないタイミングで、この1年の変化を伺いました。返ってきたのは「使う人が増えた」ではなく「使える業務領域が広がった」という切り口でした。

もう一つの変化が、周囲への波及です。立場や年齢の近い方々にAI活用を勧め続けてこられた結果、その方々が最近になって実際に使い始めました。それを受け、社内のアカウント増設を上申されています。

「今、社内的にもうちょっとアカウントを増やしませんかという話を、ちょうど先月に上申したところです。みなさんが使っていかないとわからないと思うので」

業務効率化のフェーズから、社内にAIを広げていくフェーズへと進まれています。


変化|1年で広がった、活用の具体的な領域

活用領域内容
プロジェクト機能業務ごとに情報を集約。使い込むほど提案の質が向上
メール対応返信・送信文の作成を、ほぼAI経由で作成
情報収集毎朝、自動車業界のニュースと愛知県の補助金情報を自動配信
社内共有レポートセミナーや面談で得た学びを1本のレポートに整形し、社内へ配布
経営分析数字を並べ、どこを見るべきかを対話しながら整理
画像生成日本語表記がきれいに出るモデル更新以降、活用範囲が拡大
議事録作成ボイスメモの文字起こしをAIで整形し、実用レベルの議事録に

毎朝のニュース配信は”精度が上がり続ける仕組み”へ

研修時に構築した毎朝のニュース配信は、この1年で大きくレベルが上がりました。自動車業界のニュースに加え、愛知県のホームページに掲載される補助金情報まで自動で拾ってくる形に育っています。

精度向上の鍵は、運用の工夫でした。チャットを分けてプロンプトを相談しながら調整し、さらに新聞や社内に届く資料と突き合わせて、漏れがあった記事は写真で送り返して補正しています。

「最近は結構何もいじらずにニュースが届いています。とはいえどこかで確認はしないといけないなと思っているので、自分で新聞だとか会社に届いたやつを見て、これ抜けてるなというニューズは、そこだけ写真を撮って『これ抜けてるよ』みたいなことをやっています」

学びを資産に変える”ワンレポート”

社外セミナーや経営者との対話、議事録などを一つにまとめ、社内へ配布できる資料の形に整えるプロンプトを作られました。

以前は幹部会などで局所的に口頭共有していた内容が、いまは資料として全員に届く形になっています。伝えたいメッセージが伝わりやすくなるだけでなく、ご自身の学びがデータとして蓄積されていきます。

「僕自身も学んだことのデータを蓄積しようと思って、それだけでこれくらいワンレポートができるようになりました。これは個人的に面白かったです」

議事録は「ボイスメモ+AI」で実用レベルに到達

対面や複数人での打ち合わせは、iPhoneのボイスメモで録音し、その文字起こしをそのままAIに渡す方法が定着しています。10名以上が参加して各社が発表し合うような会議でも、十分な精度で議事録が仕上がっています。

「文字起こしすると、ちょっと文字化けしているな、こんなんじゃやれんやろうなと思ってポンと打ってみたら、意外とちゃんと日本語で戻してくるし、なんならそれを見た後に僕がマイクを使って『ここはこう』と伝えたり打ち込んでやれば、あとは自動的に文章を直して吐き出してくれる。十分じゃんと」

この手応えから、社内展開の道筋も見えてきました。録音用の端末を用意し、全員がボイスメモで録って文字起こしを流し込みます。それだけで、いまなら十分に運用できる見通しが立っています。


波及|受講メンバーから、それぞれの現場へ

研修を受けられた他のメンバーにも活用が広がっています。

なかでも印象的なのが、自社キャラクターのシール制作です。1件あたり2〜3時間をかけていましたが、既存キャラクターの画像データだけを学習させ、素早く新しいバリエーションを生み出せるようにされました。

「今までのキャラクターのデータだけを送って、『ここから例えば傘をさしている絵を作って』とやったら、全然できてしまうんだと」

制作時間の削減にとどまらず、自分で考えて自分で動く流れが生まれています。

「そういう意味では、みんな自分で考えて自分で行動するようになったなと思います」


意識の変化|「使う人次第」と「最後は自分が確認する」

この1年でもっとも大きかった変化として、研修でお伝えした一言の意味が実感を伴って理解できたことを挙げてくださいました。

「研修の時に言ってくれてた『使う人次第』というところが、より分かるようになってきましたね」

そのうえで、AIとの向き合い方について明確な基準をお持ちです。

「今だと、自分がどうやって使って、最後に自分がどうやって確認するかというところがやっぱり肝だなと思って。そこだけは自分が確認もせずにやるというのは僕はアウトかなと思って、そこだけは人がやらなきゃなと思いながらやっています」

つい先日のWeb会議では、ある企業が「ガベージイン・ガベージアウト(ゴミを入れればゴミが出てくる)」という言葉を使われていたそうです。研修の冒頭でお伝えした内容そのものであり、深く納得されたと伺いました。

「本当に、いかに自分たちが分かった上で使っていくかというのが大事だなというのは、自分自身もこの1年で重々理解できました」

データの扱いについても、社内情報が学習に使われない設定を確認しながら、社名などは伏せて運用されています。アカウント増設のタイミングでは、組織全体で設定を統一できるプランへの切り替えもご検討いただいています。


今後の展望

各部署に1〜2名の”AI人材”を

3つ目は人の話です。お一人の推進力には限りがあるからこそ、各部署に1〜2名のキーマンを育てる構想をお持ちです。

「それぞれの各部署に1人2人ぐらい、AI人材となるようなキーマンが、いかに使ってくれるか、使える環境を整えるかが、今からが大事かな」

「なるべく僕が感じたことをみんなに伝えながら、みんなが使える環境を作っていきたいなというのは、強く思うようになりました」

社内にAI人材が育つほど、業務フローの共有もスムーズになり、システム連携のような専門領域だけを外部と分担する形が実現します。同じ時間でも進むスピードが上がっていく関わり方を、KANNONとしてもご一緒していきたいと考えています。