株式会社サンエーさま 製菓業(お菓子の製造・販売・配送)

研修で教えた内容を「そのまま使う」のではなく、自分たちで発展させていく。株式会社サンエーのAI活用は、まさにその理想形でした。
KANNON AI研修を受けた4名のうち、特に中島様は研修後次長に昇格し、AI推進室担当に。
研修で扱っていない領域にまで踏み込み、ネットワーク監視アプリを自作。社内トラブルの原因特定に貢献しました。
相田さんは当初AIへの抵抗感が強かったものの、研修後は報告書変換やPDF作成に活用し、残業が大幅に削減されました。
社長が語るのは、数字の変化だけではありません。「AIでベテランの衰えを補完し、75歳まで働ける会社にする」という、中小企業ならではのビジョンです。
課題|AIは社長止まり、現場には抵抗感
サンエーでは、研修以前からAIの活用は始まっていました。社長自身がChatGPTの有料契約を結び、日常的に活用していました。
しかし、現場の社員にはまだ浸透していませんでした。「使ったことがない」「自分の業務には関係ない」という意識が根強く、ベテラン社員を中心に業務が属人化。膨大な業務量に対して残業が常態化していました。
特に相田さんは多くの残業時間を抱えており、配送業務では短期間に注文が集中した際に運送会社のステーションがパンクするリスクも課題でした。
「AI使ってって言っても、なかなか手が動かない人もいるんだよね」
── 社長
変化|研修で扱っていない内容まで、自走し始めた
中島様──「一番進化した」とされる存在
研修で学んだことをベースに、研修では扱っていない領域にまで自主的に取り組み始めました。
エクセルに画像を貼ったカタログの画像管理を効率化する「画像データベース」を構築。さらに、社内ネットワークで不定期に通信速度が低下するトラブルが発生した際、ChatGPTを使って3分おきにインターネット回線速度を計測し、低下時にアラートを出すアプリを自作しました。
このアプリのデータをもとに原因の切り分けができ、UTMのセキュリティ設定に起因するトラブルの解消につながりました。
「そのトラブルを解消するきっかけは中島様さんのアプリです」
── 社長
「中島様さんが一番進化してると思う」
── 社長
相田さん──抵抗感から一転、残業が大幅削減
当初はAIへの抵抗感が強く、「ちょっと質問するだけ」という使い方にとどまっていました。
しかし研修を経て、報告書のフォーマット変換やPDFファイルの作成など、日常業務にAIを取り入れるようになりました。外部SEの活用事例も参考にしながら、自身の活用範囲を着実に広げています。
その結果、残業が大幅に削減されました。
「相田さんの残業がグンッと下がった」
── 社長
──得意領域でAIを活用
スケジュール管理や画像生成によるチラシ・パッケージ制作など、自身の強みがある領域でAIを活用しています。
全体の変化
研修で教わった操作をそのまま再現するのではなく、「自分の業務課題に応用する力」が身についたことが、サンエーの研修効果の最大の特徴です。
「今回やっていただいた研修はすごく効果があったと思う」
── 社長
成果|数字と、それ以上のもの
定量的な変化
| 研修前 | 研修後 | |
|---|---|---|
| 相田さんの残業時間(月間) | 10~20時間 | 大幅削減 |
| ネットワークトラブル対応 | 原因不明のまま | 自作アプリで原因特定・解消 |
| AI活用者 | 社長のみ | 受講者4名中4名全員が日常的に活用 |
| 活用レベル | 質問・検索程度 | アプリ開発・業務自動化 |
意識の変化
「研修をした経験を利用して、勝手に進化していってる」
── 社長
単に「使い方を覚えた」のではなく、研修で得た経験を土台に、自分たちで課題を見つけ、AIで解決策を作る「自走する力」が身についています。
社長のビジョン|AIで「75歳まで働ける会社」をつくる
今回のインタビューで印象的だったのは、社長のAIに対するビジョンの深さです。
中小企業にとって、人材の新陳代謝は切実な問題です。若手は経験不足からミスをしやすく、それが大事故につながるリスクがある。一方でベテランは年齢とともにキーボード操作など身体的なインターフェースが衰えてくる。
サンエーでは定年を75歳まで延長する方針を打ち出しています。
「気が済むまでやっていいよと言っている。ヨレヨレしてくるところをAIで補完していく。口はいけるじゃん、みんなジジイになっても。思考は劣らないからね」
── 社長
判断は人間がやり、作業はAIが担う。 この明確な役割分担の考え方は、中小企業がAIと向き合う上でのひとつの理想形と言えます。
「みんなの能力を補うと、だいぶ能力上げられるなと。自分も再現できるじゃない」
── 社長
展望|販売管理システムの更新時期、AIとRPAの融合へ
サンエーでは現在、8年目を迎える販売管理システムの更新時期を迎えています。社長は既にChatGPTでPythonコードを書かせてRPAの処理を高速化するなど、AIとシステムの融合を自ら実践しています。
今後は、既存の販売管理システムはそのまま維持しつつ、その手前にAI+RPAのバッチ処理を配置する構想を描いています。
「今のシステム、焼き直しにしといて、手前にそういうの作ってあげて」
── 社長
研修で芽生えた「自走する力」が、単なるAI活用を超えて、会社の基幹システムの在り方まで変えようとしています。