株式会社グリュックさま 医療機器の販売・リース、日本語学校の運営


研修の前に挙げた課題は、紙で集めていた学生の給与明細と、お知らせの連絡でした。
研修のあと、学校の中の方が、その二つを一つの管理アプリにまとめています。

いまでは、同じ悩みを持つ他の日本語学校にも役立つのではないか、と思えるところまで形になってきました。次のテーマは、他の学校に届けるための進め方と、支える体制づくりです。


背景|「給与明細を紙で集める」ところから始まりました

株式会社グリュックは、愛知県一宮市で医療機器の販売・リースなどを手がけ、日本語学校も運営されている企業です。2026年4月から6月にかけて、全3回のAI研修を対面で実施しました。

研修の前に、最初の課題として挙がったのが、学生の給与明細を紙で集める手間です。留学生のアルバイトには時間の上限があるため、学校として学生の給与明細を確認しています。その給与明細を、学生から紙で集めていました。

そこで研修の前に挙げられたのが、次のような仕組みでした。

  • 給与明細を、学生がまとめてアップロードできる
  • 学校からのお知らせを、学生全員にまとめて届けられる

変化|学校専用の管理アプリが、自分たちの手で生まれました

学生向けと管理者向け、二つの画面を持つ管理アプリ ── K様

研修のあと、K様が中心となって開発を進めてこられたのが、日本語学校専用の管理アプリです。Googleのスプレッドシートと連携して動く仕組み(Google Apps Script)で作られており、データは一つのスプレッドシートにまとめられています。

ログイン画面があり、使う人によって「学生向け」と「管理者向け」の二つの画面に分かれます。

画面主な機能
学生向け給与明細のアップロード、学校からのお知らせ、カレンダー、学生ハンドブック(学校のルールなど)のPDF閲覧
管理者向けお知らせの配信、メニューや項目の追加

学生は、給与明細を自分でアップロードできます。学校のルールをまとめたハンドブックも、いつでもPDFで確認できます。研修の前に挙げた「給与明細」と「お知らせ」の二つの課題が、一つのアプリにまとまりました。

カレンダーは、すでに学内で実際に使われています。

「現場で働く人」が作ったアプリ

日本語を学ぶためのアプリは、世の中に数多くあります。一方で、学校の運営や管理のためのアプリは、まだ多くはありません。

このアプリは、学校の中で働く方が、自分たちの困りごとから作ったものです。給与明細の回収やお知らせの連絡といった日々の業務から始まり、学校を管理するための機能が一通り揃うところまで作り込まれています。


意識の変化|「欲しいものを挙げる」から「自分たちで形にする」へ

1. 研修前に挙げた課題を、自分たちの手で形にしました

研修の前は、「こういうものが欲しい」という課題を挙げるところから始まりました。研修のあとは、その課題をアプリとして形にし、学内で使い始めています。必要な仕組みを外から探すだけでなく、自分たちで作るという選択肢が、実際の運用で示されました。

2. 他の学校にも役立つ、という手応えが生まれました

もともとは自分たちの学校のために作り始めたアプリです。開発を進める中で、同じ悩みを持つ他の日本語学校にも役立つのではないか、という手応えが生まれています。

「研修後、開発を進めているアプリが、現在では他の日本語学校でも活用していただけるのではないかと思えるところまで形になってきました」

自校の困りごとから始まった取り組みが、外へ広げていく話へと進んでいます。


今後の展望

他の日本語学校へ ── 鍵は「学校ごとの違い」

日本語学校の立ち上げや認定の申請などを支援しているコンサルタントの方にアプリを見ていただいたところ、「これが展開できたらいい」というお話になりました。

ただ、同じ日本語学校でも、管理の仕方は学校ごとに異なります。給与明細を提出する場所がすでにある学校もあれば、アルバイトの管理の仕方が違う学校もあります。そのため、まずは身近な日本語学校など3校ほどで実際に使っていただき、どの機能が共通して必要かを見極めていく進め方が話し合われました。

あわせて、「アプリを導入しませんか」ではなく「業務を一緒に見直しませんか」という入り方も話題になりました。紙の運用が残ったままでは、アプリを入れてもデータが集まりにくいためです。

「自校で使う」から「他校に届ける」へ ── 鍵は「止めない仕組みと約束」

自分たちで使う場合と、他の学校に使っていただく場合とでは、求められることが変わります。他校へ届けるにあたって考えておくことが、次のように整理されました。

観点他校に届けるときに考えること
止まったとき相手の学校の業務が止まるため、直せる人と、見守る体制を整える
個人情報学生の情報を預かるため、ログインの本人確認と、情報の守り方を強くする
利用校が増えたときデータ量や同時アクセスが増えても動く作りにする
契約万が一のとき、どこまで責任を負うのかを契約書で決めておく

アプリとして必要な形は、すでにできています。次のステップは、このアプリを誰がどう運用し、支えていくかです。展開の進め方や契約の場面でも、KANNONは引き続きご相談をお受けしていきます。